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ホールアウトして宮本勝昌と抱き合う藤田寛之(撮影/大澤進二)

◇国内男子◇カシオワールドオープン 2日目(26日)◇Kochi黒潮CC(高知)◇7335yd(パー72)

最後のパットを決めたグリーンで、藤田寛之は盟友・宮本勝昌に抱き寄せられた。「『後半はずっと泣きそうでした』って(宮本が)言うんですよ。別に引退するわけじゃないんだから…」。来シーズンもレギュラーツアーを主戦場とするつもり。ただそれでも、賞金シードを失うことはすべてのツアープロにとって節目のひとつに違いなかった。

1997年「サントリーオープン」で初優勝を挙げ、翌年から23シーズンにわたってキープした賞金シード。賞金ランキング70位で迎えた今大会は通算2オーバーで予選落ちし、ボーダーラインの65位以内に入れなかった。2012年に初戴冠の選手としては史上最年長の43歳で賞金王になり、14年も2位で終えた。49歳でプレーした18年が期間中のワーストでも48位。6月に52歳になったベテランは長いあいだ、無縁だったシード権争いに敗れた。

ショットの不振から抜け出せないまま季節が過ぎ、「同じパーでも、“バーディよりもボギー寄り”のゴルフになる」と、この日もかみ合わず「73」。バーディ合戦についていけなかった。「今の自分のゴルフ。今シーズンは、ずっとこんな感じだった。コーチに聞いたりしていろいろやりましたけど、最後まで良くはならなかった」と嘆く。「賞金シードはツアープロの勲章。そのバッジをいただけないのは悔しいし、情けない思い」と無力感をにじませた。

2019年、当地では谷口徹が22年守ったシードを失って号泣した。2年後、藤田の目に涙はなかったが、「身近な人たちの話題はヤバい。(契約する)ヤマハのスタッフも今週ずっとついてくれていた。そのへんの話はヤバいですね。やめましょう。谷口さんになっちゃう」と笑って感傷に浸らぬよう必死だった。“中年の星”として脚光を浴びてきたここ数年のモチベーションは、自分の内よりも外にこそあった。「『おっさん、早く(シニアに)行けよ』という感じ(雰囲気)だと思うんですけど、こういう人が頑張ることによって、同世代や、上の世代の方に励みになるという声を聞く。そういった方々のために頑張りたい、と」

まだシニアツアーを主戦場にする気はなく、来季は「生涯獲得賞金ランキング上位25位以内」の資格を使って再びレギュラーツアーでプレーするつもり。「この年ですが、もう一度。挑戦者としてシード権を目指したい」。優しい笑みに力を宿した。(高知県芸西村/桂川洋一)

■賞金ランキングによるシード権獲得連続記録

32年連続 尾崎将司(1973年~2004年)
23年連続 片山晋呉(1997年~2019年※)、藤田寛之(1997年~2019年)
22年連続 杉原輝雄(1973年~1994年)、手嶋多一(1996年~2017年)、谷口徹(1997年~2018年)
※片山は来季2022年シーズンの賞金シード獲得、24年(季)連続になることが確実。